平成29年度に実施した利用自粛牧草農地還元処理について
利用自粛牧草農地還元実証試験の目的
町内には、東京電力福島第一原子力発電所での事故によって拡散された放射性物質に汚染された牧草が約4,093トンあり、現在も農家の所有地に一時保管されています。
加美町では、アンケート調査等を行い処理方法を検討した結果、処理に要する時間が比較的短く費用等がかからない、農地へのすき込みによる処理が最適という結論に至りました。
平成29年度に、中新田地区、宮崎地区、小野田地区の草地として利用している町有地にほ場を設け、400ベクレル以下の利用自粛牧草をすき込んで処理し、平成30年度に一番草および二番草を刈り取って牧草への放射性物質の影響の有無を確認しました。
また、採取した牧草の放射能濃度のほか、ほ場の空間線量および近隣河川の水質検査を行い、その結果を随時公表し、安全性を確認してまいります。
実施日
- 中新田地区 平成29年11月2日(木曜日)
- 宮崎地区 平成29年11月4日(土曜日)
- 小野田地区 平成29年11月13日(月曜日)
実施場所
中新田、小野田、宮崎の各地区の草地として利用されている町有地
区画
1.実証区(すき込みを行い草地更新を行う区画)
- プラウ区 (30センチメートル深耕) 500平方メートル
- ロータリー区(15センチメートル深耕) 500平方メートル
2.対照区(すき込みを行わない草地更新を行う区画)
- プラウ区 (30センチメートル深耕) 300平方メートル
- ロータリー区(15センチメートル深耕) 300平方メートル
農地還元する利用自粛牧草
利用自粛牧草 計6トン(各実証区に1トンずつ、各圃場あたり2トンずつ)
- 中新田地区 1キログラムあたり平均324.7ベクレル
- 小野田地区 1キログラムあたり平均327.3ベクレル
- 宮崎地区 1キログラムあたり平均316.6ベクレル
農地還元の手順
作業手順については下記をご参照ください。
利用自粛牧草の農地還元の手順 (PDFファイル: 4.9MB)
放射能濃度測定の結果
牧草の放射能濃度測定結果
検体は、実証区(プラウ・ロータリー)・対照区(プラウ・ロータリー)それぞれ四隅と中央の牧草を刈取ったものを検体としました。
- 一番草 平成30年6月13日・14日採取
中新田、宮崎、小野田地区全てで不検出(検出下限値以下)でした。 - 二番草 平成30年8月2日採取
中新田、宮崎、小野田地区の実証区については不検出(検出下限値以下)でした。
宮崎地区の対照区(すき込みを行っていない区画)のプラウ区にて1キログラムあたり6.0ベクレルが検出されました。他の対照区は不検出(検出下限値以下)でした。
更新日:2022年07月14日