加美町における利用自粛牧草農地還元事業について

更新日:2023年11月27日

利用自粛牧草農地還元の目的

・加美町では、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放射性物質が飛散し、放射性物質に汚染されたため利用を自粛した牧草(利用自粛牧草)のうち、400ベクレル/キログラム以下(1152.7トン)の利用自粛牧草については「牧草地への農地還元(すき込み)」にて処理します。

1.経緯と概要

平成28年度
宮城県の市町村会議において、8,000ベクレル以下の放射性物質汚染廃棄物については「県内すべての自治体が協力し、広域処理で一般ごみとの混焼とし、生じた焼却灰は管理型の最終処分場に埋め立てる。」もしくは「各自治体が焼却以外の方法により独自に処理をする(すき込み・堆肥化)」こととなりました。

平成29年度
加美町は国が許容している400ベクレル以下の利用自粛牧草について「すき込み」にて減容化することとし、同年9月より町内3ヶ所の草地において実証試験を実施しました。

平成30年度
平成30年6月および8月に牧草を採取し、検査機関へ放射性物質の濃度測定を依頼したところ、不検出(検出加減値以下)という結果となりました。また、同年10月下旬より試験結果の報告および今後の方針について説明会を実施しました。「1回だけの実証実験で安全と言えるのか」、「個人の農地へのすき込みは放射性物質の拡散になり、風評被害が心配」、「すき込みを実施するのであれば、まず町有地がいいのでは」等の意見がありました。

令和元年度
加美町小野田地区へのすき込みを計画しましたが、事業実施前に実施した説明会において、放射性物質による健康被害や農作物への風評被害を理由に強い反対意見があったため、事業実施を延期するこことしました。

令和2年度
放射性物資による身体や農地等への影響を正しく理解するため学識経験者を招き、勉強会を開催しました。勉強会では「すき込みにて減容化したとしても、その影響はわずかである。 また、放射線の人体への影響を考えるためには放射線以外の様々な要因も考慮しなければいけない」という事を学びました。
※令和2年度勉強会資料は下記に添付しております。

令和3年度
町有地への農地還元事業を実施し、並行して畜産農家で管理している採草地へ実施可能な場合、令和4年度以降に実施致します。


・令和4年度以降について
すき込みを実施した圃場につきましては空間線量や水・土壌の検査を定期的に実施し、結果を町広報誌やホームページ等でお知らせ致します。

令和2年度勉強会資料

2.利用自粛牧草処理計画

1.実施予定期間

・令和3年5月~11月上旬(調査・施工)
※ほ場での作業については、播種適期に完了できるように実施します。

2.令和3年度のすき込み予定面積およびすき込み量

発芽牧草

発芽した牧草

・箇所:加美町内全域の実施可能な草地
・面積:約6.5ヘクタール(予定面積)
・敷料:130トン(2トン/10アールが目安)
※実施可能な草地面積にて変動あり

3.すき込み予定利用自粛牧草

・町内にて保管されている400ベクレル以下の利用自粛牧草

4.業務スケジュール

すき込み写真

すき込みの写真

・5月:現地調査・実施打合せ(耕作者および実施者)
・6月:土壌検査(施肥設計含み)・水質検査・利用牧草放射能線量調査
・9月:利用自粛牧草裁断作業
              ↓
         除草剤散布
              ↓
         裁断牧草散布(10アールあたり2トン)
              ↓
         プラウにて反転耕起(30センチメートル深)
              ↓
         砕土1回目(15センチメートル深)
              ↓
         土壌改良剤・苦土石灰散布
              ↓
         砕土2回目(15センチメートル深)
              ↓
         肥料散布
              ↓
         砕土3回目(15センチメートル深)
              ↓
         播種・鎮圧

5.作業費用

・すき込み費用および現状復帰の為の播種費用について全額補填
※作業については、耕作者にて実施可能であれば、耕作者へ作業を委託したいと考えています。(町と耕作者での委託契約)
※土壌改良材および施肥量の決定のための土壌分析調査を併行して行います。
※すき込み前後の空間線量および水や土壌についても検査を公的機関に依頼し情報を公開します。

3.加美町における汚染牧草の濃度別保管状況

加美町における汚染牧草の濃度別保管状況

【令和5年4月1日時点】                                                                             (濃度:Bq/kg 重量:t)

濃度 個人保管 町保管 割合
400以下 454.9 327.5 782.4 21.4%
1,000以下 801.3 1,234.9 2,036.2 55.5%
5,000以下 373.2 474.4 847.6 23.1%
1,629.4 2,036.8 3,666.2  

 

平成29年度に実施した利用自粛牧草農地還元処理について内部リンク

4.風評被害対策について

風評被害とは、根拠のない噂(不確かな情報)が原因で発生するものであるため、本庁の農地還元事業実施に際しては、随時検査結果などを町ホームページや広報誌へ掲載します。また、放射性物質に関する勉強会を、本庁の農地還元事業をテーマにて実施することでより一層理解を深めます。また万が一、農地還元事業を実施したことにより、その影響で損害が発生した場合には、関連性を調査し相当額を賠償させていただきます。

 

5.現在の空間線量等について

平成29年度実施ほ場空間線量

令和3年度実施ほ場の空間線量

令和4年度実施ほ場の空間線量

6.令和4年6月28.29日に開催した説明会の資料について

放射性物質について外部リンク

この記事に関するお問い合わせ先

加美町産業振興課

〒981-4292
宮城県加美郡加美町字西田三番5番地

電話番号 0229-63-3408(直通)/0229-63-6000(観光担当)
ファックス番号 0229-63-3398

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