○加美町議会議員政治倫理条例

平成31年3月20日

条例第14号

(目的)

第1条 この条例は、加美町議会基本条例(平成28年条例第2号)第5条の規定に基づき、加美町議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理(以下「倫理」という。)に関する基本となる事項を定めることにより、議員が、良心と責任感をもって政治活動を行うとともに、公平・公正で透明な議会運営に努め、住民福祉の向上及び町政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、町民の信託を受けた全体の奉仕者として、自らの役割と責任を深く自覚し、その使命の達成に努める。

2 議員は、倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら疑惑の解明に当たるとともに、町民に対し、自ら進んで事実を明らかにしなければならない。

(町民の責務)

第3条 町民は、主権者として公共の利益を実現する責任を負うことについて自覚を持ち、議員に対して、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(倫理基準)

第4条 議員は、法令及び社会規範に基づき、議会並びに議員の品位及び名誉を損なう行為を慎み、次に掲げる政治倫理基準(以下「基準」という。)を遵守する。

(1) 不正の疑惑を持たれるおそれのある金品の授受、その他の行為をしないこと。

(2) 町又は町が資本金、その他これらに準じるものを出資している法人若しくは町の施設の指定管理者が行う許可又は請負その他の契約等に関し、特定の者のために有利な取り扱い又は不利な取り扱いをするよう働きかけをしないこと。

(3) 町が行う許可、認可等の処分又は行政指導に関し、正当な理由なく、特定の個人又は団体に対して有利又は不利となる取り計らいをしないこと。

(4) 政治活動に関する寄附について、政治的又は道義的な批判を受けるおそれのあるものを受けないものとし、議員の後援団体等に対しても同様に取り扱わせるよう措置すること。

(5) 町税等の納付を誠実に行うこと。

(6) 町職員の公正な職務執行を妨げ、町職員の権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(7) 町職員の採用、昇任又は人事異動に関し、議員の地位による影響力を行使しないこと。

(8) その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為をしないこと。また、いかなる場合であっても、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント及びその他人権侵害のおそれのある行為をしないこと。

(請負契約等)

第5条 議員は、議員が役職をしている企業等(以下「関係企業等」という。)に対して、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、加美町建設工事執行規則第3条第2項に規定する工事等にかかる契約又は指定管理者の指定に関し、町民に疑惑の念を生じさせるような取扱いをしないこと。

2 議員は、関係企業等において役員の職に就いているとき又はその職を離職したとき若しくは異動等があったときは、当該事実を証する資料を添付して、遅滞なく議長にその旨を届け出ること。

(審査請求)

第6条 議員が、第4条各号に規定する基準に違反する疑いがあると認められるときは、議員の選挙権を有する町民20人以上の者の署名、又は、議員にあっては2人以上の署名をもって、当該基準に違反する疑いのあることを証する書類を添えて、議長に審査を請求することができる。

(会議)

第7条 議長は、審査請求を受けたときは、加美町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、前条の規定による審査の求めに応じ、速やかに次に掲げる事項について審査を行う。

(1) 審査又は調査請求の適否

(2) 基準に違反する行為の存否

3 審査会の委員は、議会運営委員会において、議員6人以内を指名し議長が任命する。なお、学識経験者等の意見を求めることができる。

4 審査会の委員の任期は、議長に対し当該事案の審査結果の報告をしたときまでとする。ただし、議員の職を失ったときは、その任期を終了するものとする。

5 審査会に委員長及び副委員長各々1人を置き、委員の互選によってこれを定める。

6 審査会は、委員の定数の半数以上の委員が出席しなければ会議を開くことができない。

7 審査会は、その議決で秘密会とすることができる。この場合、委員長が指定する者以外の者を会場の外に退去させるとともに、議事の記録は公表しない。

8 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

9 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。

(審査)

第8条 審査会は、被請求議員に弁明の機会を与える。

2 審査会は、必要があると認めるときは、被請求議員又は審査請求をした者から事情を聴取し、又は資料の提出を求めることができる。

3 被請求議員は、前項の規定により、審査会から事情の聴取又は資料の提出を求められたときは、会議に出席して意見を述べ、又は当該審査に必要な資料を提出しなければならない。

4 審査会は、必要があると認めたときは、関係者の出席を求め説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。

5 前各項に定めるもののほか、審査に関し必要な事項は、委員長が審査会に諮って定める。

(報告)

第9条 委員長は、審査を終了したとき、速やかに審査の結果を議長へ報告しなければならない。

(審査結果の措置)

第10条 議長は、審査会による審査の結果を尊重し、議会運営委員会の議決を経て、会議に付議すべき事件に定めるものとする。

2 議会は、前項の規定により会議に付議された事件(以下「審査請求付議事件」という。)について、第4条各号に規定する基準に違反する行為の存否を確認し、議決しなければならない。

3 審査請求付議事件の対象となっている議員(以下「対象議員」という。)は、地方自治法第117条ただし書の規定により、議会の同意を得て、その会議に出席して弁明することができる。

4 議会は、第4条各号に規定する基準に違反する行為があると確認し、議決した場合においては、対象議員に対し必要な措置を議決し、講じなければならない。

5 前項の規定による対象議員に対する措置の種類は、次の各号に掲げるものとする。

(1) この条例の規定を遵守させるための警告を発すること。

(2) 議員の辞職勧告を行うこと。

(3) その他議長が必要と認める措置

6 議会は、第4条各号に規定する基準に違反する行為がないと確認し、議決した場合においては、対象議員の名誉回復のために必要な措置を議決し、講じなければならない。

7 議長は、第4項及び前項の規定による議決があったときは、第6条に規定する代表者に通知するとともに、公表するものとする。

8 議長は、第4項の規定による議決があったときは、議会の品位及び名誉を守り、かつ、町民の信頼を回復するために必要な措置を定めなければならない。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

加美町議会議員政治倫理条例

平成31年3月20日 条例第14号

(平成31年4月1日施行)