○加美町ストレスチェック制度実施要綱
平成28年10月7日
訓令第14号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の10第1項の規定に基づき、町が町長部局その他の部局の職員(以下単に「職員」という。)に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及び面接指導その他町が講ずべき措置について必要な事項を定めるものとする。
2 ストレスチェック制度の実施方法等については、この規定に定めるほか、労働安全衛生法その他の法令の定めによる。
(目的および制度の趣旨)
第2条 ストレスチェック制度は、職員自身のストレスへの気づき及びその対処の支援ならびに職場環境の改善を通じて、メンタル不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。
第2章 ストレスチェック制度の実施体制
(ストレスチェック制度担当者)
第3条 ストレスチェック制度担当者(ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等を担当する者をいう。以下同じ。)は、総務課長をもって充てる。
(ストレスチェックの実施者)
第4条 ストレスチェックの実施者(ストレスチェック及びその結果に基づく面接指導を実施する者をいう。以下同じ。)は、産業医とする。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第5条 ストレスチェックの実施事務従事者(実施日程の調整・連絡及び調査票の配布・回収等の各種事務処理を担当する者をいう。以下同じ。)は、衛生管理者及び総務課人事給与係をもって充てる。
2 前項の各種事務処理は、その一部または全部を外部に委託することができる。
3 人事権を有する職員は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。
第3章 ストレスチェック制度の実施方法
第1節 ストレスチェック
(ストレスチェックの実施時期)
第6条 ストレスチェックは、毎年おおむね2週間程度の期間(以下「ストレスチェック実施期間」という。)を設定し、当該期間中に実施する。
2 ストレスチェック実施期間中に、出張等業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった職員に対しては、別途期間を設定してストレスチェックを実施する。
(ストレスチェックの対象者)
第7条 ストレスチェックの対象者は、次の各号に掲げる者を除く全ての職員とする。
(1) ストレスチェック実施期間中に私傷病による病気休暇、休業または休職中の職員
(2) 市町村立学校職員給与負担法第1条に規定する職員
(3) 1週間あたりの勤務時間が、加美町職員の勤務時間、休暇等に関する条例第2条に規定する時間の2分の1未満である職員
(4) ストレスチェック対象者名簿の提出後に任用された職員
(受検の方法等)
第8条 ストレスチェックは、制度目的及び実施方法について、庁内LAN等を活用し、事前に十分周知をして行う。
2 ストレスチェックの対象者は、専門医療機関に通院中であるなどの特別な事情がない限り、ストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
3 ストレスチェックは職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであるから、ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況をありのままに回答するよう努めなければならない。
(調査票及び方法)
第9条 ストレスチェックは「職業性ストレス簡易調査票」を対象者に配布して記入させ、回収することにより行う。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第10条 ストレスチェックの個人結果の評価は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月 厚生労働省労働基準局)(以下「マニュアル」という。)に示されている標準化得点を用いた方法とする。
2 高ストレス者の選定基準は、マニュアルに基づき実施者が定める。
(個人結果の通知)
第11条 実施事務従事者は、実施者の指示により、ストレスチェックの個人結果を直接本人に通知する。
2 町は、本人の同意がある場合に限り、ストレスチェックの個人結果の提供を受けることができる。
(セルフケア)
第12条 職員は、ストレスチェックの結果に基づいて、ストレスを軽減するためのセルフケアを適切に行うよう努めなければならない。
2 同意の取得は、実施事務従事者が、同意する職員から同意書(様式第1号)の提出を受けることにより行う。
3 第15条第1項の規定による申出があったときは、同意がなされたものとみなす。
第2節 医師による面接指導
(面接指導の対象者)
第14条 実施者は、第9条に基づき高ストレス者と判定された者に対し、医師による面接指導の勧奨を行う。
2 医師による面接指導の勧奨を行うにあたり、実施者の指名及び指示のもとに、その他の医師、保健師、もしくは精神保健福祉士または臨床心理士等の心理職が職員に面談を行い、その結果を参考として選定することもできる。
3 医師の面接指導を受ける必要があると判定された職員は、希望により医師の面接指導を受けることができる。
2 実施者は、前項の申出書が提出されてから30日以内に面接指導を実施しなければならない。
3 実施事務従事者は、実施者の指示により、該当する職員に実施日時及び実施場所を通知する。この場合において、実施事務従事者は、当該職員が面接指導の対象者であることを第三者に知られることがないよう配慮しなければならない。
4 面接指導の申出を行った職員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、所属長は職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
5 面接指導の対象者が面接指導を受けるときは、職務に専念する義務を免除する。
(医師の意見)
第16条 実施者は、面接指導終了後30日以内に、面接指導結果報告書兼意見書(様式第3号)により、結果の報告及び意見を実施事務従事者に提出しなければならない。
(就業上の措置)
第17条 町は、面接指導の結果、実施者から就業上の措置が必要であるとの意見が提出されたときは、就業上の措置について検討しなければならない。
2 町は、就業上の措置の決定に当たっては、あらかじめ該当する職員の意見を聴き、十分な話し合いを通じて当該職員の了解が得られるよう努めるとともに、当該職員に対する不利益な取扱いにつながらないよう留意しなければならない。
3 町は、就業上の措置を実施するときは、該当する職員に対し就業上の措置の内容及び理由を説明しなければならない。
第3節 集団ごとの集計・分析
(集計・分析)
第18条 ストレスチェックの結果は、課または室、所(以下「課等」という。)ごとの単位で集計・分析を行う。
2 集計・分析の対象が10人未満となる場合は、前項の規定にかかわらず、他の課等と合算して集計・分析を行う。この場合において、当該合算した集団の単位が、職場環境を共有し、かつ、業務内容について一定のまとまりを持ったものとなるよう配慮するものとする。
(集計・分析の方法)
第19条 集団ごとの集計分析は、厚生労働省の定める方法に準拠して行う。
(分析結果の活用)
第20条 町は、集団ごとに集計・分析された結果に基づき、必要に応じて管理職に対する研修その他の職場環境の改善のための措置を講ずる。
第4章 記録の保存
(ストレスチェック結果の記録の保存担当者)
第21条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、実施事務従事者とする。
(記録の保存期間・場所)
第22条 ストレスチェックの個人結果及び集団ごとの集計・分析結果並びに面接指導の結果の記録は、総務課が管理する施錠可能な場所に5年間保存する。
2 保存担当者は、前項に規定するストレスチェックの結果が第三者に閲覧されることがないよう、責任を持って鍵の管理をしなければならない。
第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理
(ストレスチェックの個人結果の共有の範囲)
第23条 職員の同意を得て町に提供されたストレスチェックの個人結果は、総務課(総務課長を除く。以下この章において同じ。)のみで保有し、他の課等に提供してはならない。
(面接指導結果の共有範囲)
第24条 面接指導の結果の記録は、総務課のみで保有し、他の課等に提供してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、就業上の措置の内容など、職務遂行上必要な情報に限り、該当する職員の上司など必要な範囲にのみ提供することができる。この場合において、当該情報の提供を受けた者は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第25条 ストレスチェックの集団ごとの集計・分析結果は、総務課で保有するとともに、当該集団に該当する課等の長に提供する。
(面接指導結果の提供制限)
第26条 実施者は、面接指導結果に関する情報を町に提供するときは、職員の診断名、検査値もしくは具体的な症状の内容等の情報または詳細な医学的情報を、必要に応じて加工し、当該職員の就業上の措置を実施するために必要な情報に限定して提供しなければならない。
(守秘義務)
第27条 職員からの情報開示等や苦情申し立てに対応する総務課の職員は、それらの職務を通じて知り得た職員の秘密(ストレスチェックの結果その他の職員の健康情報)を、他人に漏らしてはならない。
第6章 不利益な取扱いの防止
(職員への不利益な取扱いの禁止)
第28条 町は、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った職員に対して、申出を行ったことを理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(2) 職員の同意を得て町に提供されたストレスチェック結果に基づき、ストレスチェック結果を理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックを受けない職員に対して、受けないことを理由として、その職員の不利益となる取扱いを行うこと。
(4) ストレスチェックの個人結果を町に提供することに同意しない職員に対して、同意をしないことを理由として、その職員の不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 医師による面接指導が必要と判定されたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない職員に対して、申出を行わないことを理由として、その職員の不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 就業上の措置を行うに当たって、医師による面接指導の実施又は医師からの意見聴取など労働安全衛生法及び労働安全衛生規則に定められた手順を踏まずに、その職員の不利益となる取扱いを行うこと。
(7) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置を行うに当たって、医師の意見とはその内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し必要な範囲内となっていないものや、職員の実情が考慮されていないものなど、労働安全衛生法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その職員の不利益となる取扱いを行うこと。
(委任)
第29条 この訓令に定めるもののほか、ストレスチェックの実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この訓令は、公布の日から施行し、平成28年10月1日から適用する。