○加美町上川原頭首工管理規則
平成22年3月12日
規則第3号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、加美町土地改良施設管理条例(平成22年加美町条例第1号。以下「条例」という。)第3条の規定に基づき、上川原頭首工(堰堤、取水施設、電気設備、その他の附帯施設を含む。以下「頭首工」という。)の維持、操作その他の管理について必要な事項を定めるものとする。
(管理者)
第2条 頭首工の管理責任者(以下「管理者」という。)は、この規則に定めるところにより、頭首工を管理するものとする。
(異例の処置)
第3条 管理者は、この規則に定めない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承諾を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要するものについては、この限りでない。
2 前項ただし書きの場合は、事後速やかに町長に報告するとともにその後の措置についての指示を受けなければならない。
第2章 取水、放流及びゲートの操作に関する事項
第1節 水位
(水位の制限)
第4条 頭首工地点における河川の水位(以下「頭首工の水位」という。)は、標高TP28.40mを上限とし、標高TP27.80mを下限とする。
2 管理者は、前項に規定する水位の範囲内でかんがい用水等の取水を行い、かつ、河川の流量を努めて恒常的に維持させるものとする。
(水位の基準)
第5条 頭首工の水位は、頭首工左岸上流地点に設置された水位計に基づくものとする。
第2節 取水
(取水期間)
第6条 毎年4月26日から9月5日までの期間をかんがい期間とし、9月6日から翌年4月25日までの期間をその他の期間とする。
(取水)
第7条 管理者は、かんがい期間において、気象、水象及びかんがいの状況を考慮しつつ受益地の必要な水量を取水するものとする。
(計画取水量)
第8条 頭首工地点からのかんがい用水等の取水量は、次表に掲げる量を上限とする。
時期 別 | かんがい期間 | その他の期間 | 年間総取水量 | |
しろかき期 | 普通期 | |||
期間 | 4月26日から5月10日まで | 5月11日から9月5日まで | 9月6日から翌年4月25日まで | |
最大取水量 | 4.602m3/s | 3.502m3/s | 0.813m3/s | 47,630,000m3 |
(取水時のゲートの操作)
第9条 かんがい用水等の取水を行うときは、頭首工の水位及び取水量に応じて頭首工ゲート及び取水口ゲートの開度を調節して行うものとする。
(取水量の測定)
第10条 取水量の測定は、上川原幹線用水路に設置された水圧式流量計により測定するものとする。
2 管理者は、取水量の正確を期するため、毎年1回流量計の検測を行うものとする。
第3節 放流及びゲートの操作
(責任放流及び平常時の放流)
第11条 頭首工の責任放流は毎秒1.233m3とし、魚道により流下させるものとする。
2 次の各号に該当する場合は、下流の安全を確認し河川の急激な増水を生じさせないよう、ゲート操作することができるものとする。
(1) 下流における他の河川の使用のため、必要な河川の流量を確保する必要があるとき。
(2) 第4条の堰上げ上限水位を守るとき。
(3) 第12条の規定により放流するとき。
(4) 頭首工の点検整備を行うとき。
(5) その他やむを得ない理由により操作するとき。
(出水時の放流)
第12条 頭首工の水位が標高TP28.30mを超え、土砂吐ゲートを全開した後、さらに標高TP28.40mを上回ることが予想されるときは、洪水吐ゲートを開扉して放流するものとする。
2 前項の操作を行う場合は、取入ゲートを閉扉するものとする。
(出水時の操作)
第13条 前条第1項の頭首工ゲートが全開している状態を保ちつつ、河川流入量が最大のときを経て頭首工の水位が標高TP28.30mに等しくなるまでの間、これを継続するものとする。
2 前項を経たときは、頭首工の水位標高扉TP28.30mを保ちつつ、順次洪水吐ゲートの閉扉、土砂吐ゲートの閉扉を行なうものとする。
(操作記録の作成)
第14条 頭首工のゲートを操作した場合は、次の各号に掲げる事項を記録しなければならない。
(1) 操作の理由
(2) 開閉したゲートの名称、1回の開閉を始めた時刻、終えた時刻、その時の開度
(3) ゲート1回の開閉を始めたとき及び終えたときの頭首工の水位及び放流量
(4) 放流に関して関係機関への通知及び警告の実施状況
(5) その他参考となるべき事項
第3章 点検および整備に関する事項
(点検および整備)
第15条 管理者は、頭首工を操作するために必要な機械器具、警報・通信連絡・観測のために必要な設備、管理のために必要な車両、これらの操作のために必要な資材を常に良好な状態に保つための点検及び整備を行わなければならない。
なお、地震時における臨時の点検は、仙台管区気象台より発表された最寄りの地点(加美町)の震度階が4以上の場合に行うものとする。
(監視)
第16条 管理者は、頭首工及びその周辺について常に監視を行い、その維持及び保全に支障を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。
第4章 緊急事態における措置に関する事項
第1節 洪水
(洪水警戒体制)
第17条 管理者は、次の各号の一に該当するときは、洪水警戒体制をとらなければならない。
(1) 仙台管区気象台から関係地域を対象に、降雨に関する注意報又は警報が発せられたときから、これらの注意報又は警報が切り替えられるまでの間
(2) 頭首工の水位が標高TP28.30mを超えるおそれが大きいと認められるときから、標高TP28.40m以下となり、再び増水するおそれがないと認められるまでの間
(1) 関係の河川管理者、関係市、その他の機関との連絡を密接にし、気象・水象に関する観測及び情報の収集を行うこと。
(2) 頭首工を操作するために必要な機械器具の点検整備、予備発電設備の試運転、その他頭首工の操作に関し必要な措置をとること。
(3) 常に河川流量及び水位に注意し、第12条の規定による頭首工の操作に万全を期すること。
(洪水警報体制時の解除)
第19条 管理者は、第17条の洪水警戒体制をとる時間が経過したときは、洪水警戒体制を解除するものとする。
第2節 干ばつ
(干ばつ時の措置)
第20条 管理者は、かんがい期において、頭首工の水位が標高TP27.80m以下に低下するおそれがあるときは、その水位および頭首工地点における取水状況を町長に報告し、その指示により措置するものとする。
第5章 雑則
(管理日誌)
第21条 管理者は、頭首工管理日誌を備え、次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 気象(天気、気温)
(2) 水象(水位、取水位)
(3) 頭首工地点における放流量
(4) かんがい用水取水量
(5) ゲートの操作時刻及び開度
(6) 点検および整備に関する事項
(7) その他頭首工の管理に関する事項
2 管理者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を町長に提出し、その内容を報告しなければならない。
附則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。