○加美町職員倫理規程
平成15年4月1日
訓令第29号
(目的)
第1条 この訓令は、加美町職員(特別職の職員を除く。以下「職員」という。)が当該職員の職務に利害関係のある業者及び個人(これらの者の集合団体であって法人格を有しないものを含む。)並びに職員の地位等の客観的な事情から当該職員が事実上影響を及ぼしうると考えられる他の職員の職務に利害関係のある業者及び個人(これらの者の集合体であって法人格を有しないものを含む。以下これらを「関係業者等」という。)との接触等に関し遵守すべき事項等を定めることにより、職務執行の公正さに対する住民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する信頼を確保することを目的とする。
(職員の基本的心構え)
第2条 職員は、その服務について、地方公務員法(昭和25年法律第261号)その他関係法令を遵守するほか、この訓令に従わなければならない。
2 職員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でないことを自覚し、公正な職務の執行に当たるとともに、公共の利益の増進を目指して職務を遂行しなければならない。
3 職員は、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを認識するとともに、日常の行動について常に公私の別を明らかにし、職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。
(管理・監督者の遵守事項)
第3条 職員のうち、課長相当職以上の地位にある者(以下「管理・監督者」という。)は、率先して服務規律の確保を図るとともに、監督責任を十分に自覚し、部下職員に対する指導監督を怠ってはならない。
(関係業者等との接触に当たっての禁止事項)
第4条 職員は、関係業者等との接触に当たっては、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、家族関係、個人的友人関係等に基づく私生活面における行為であって、職務に関係のないものは除く。
(1) 関係業者等と会食(パーティーを含む。)をすること。
(2) 関係業者等と遊技(スポーツを含む。)又は旅行をすること。
(3) 関係業者等から転任、海外出張等に伴うせん別等を受けること。
(4) 関係業者等から中元、歳暮等の贈答品(広く配布される宣伝広告用物品を除く。)を受領すること。
(5) 関係業者等から講演、出版物への寄稿等に伴い報酬を受けること。
(6) 関係業者等から金銭(祝儀等を含む。)、小切手、商品券等の贈与を受けること。
(7) 本来自らが負担すべき債務を関係業者等に負担させること。
(8) 関係業者等から対価を支払わずに役務の提供を受けること。
(9) 関係業者等から対価を支払わずに不動産、物品等の貸与を受けること。
(10) 関係業者等から未公開株式を譲り受けること。
(11) 前各号に掲げるもののほか、関係業者等から接待又は一切の利益や便宜の供与(社会一般の接遇として容認される湯茶の提供等を除く。)を受けること。
(1) 事前に任命権者に対し届出をしその了承を得た場合
(2) やむを得ない事情により前号の届出をすることができない場合には、事後、速やかに任命権者に報告しその了承を得た場合
(公益法人等及び官公庁への準用)
第5条 前条の規定は、職員が、公益法人等設立に許認可を要する関係法人と接触する場合について、これを準用する。
2 前条の規定は、職員が、国の行政機関、地方公共団体及び独立行政法人等の政府関係機関の職員と接触する場合について、住民の疑惑や不信を招くようなことの防止を基本として、職務上の必要性に留意しつつ、これを準用する。
(違反行為があった場合の処分等)
第6条 職員がこの訓令に違反する行為(以下これらを「違反行為」という。)をするおそれがあると認められる場合においては、管理・監督者は、直ちに実情調査を開始するとともに、必要に応じ、町長に報告するものとする。
2 任命権者は、職員に違反行為があったと疑うに足る相当の理由がある場合においては、直ちに当該職員から事情聴取を行うなど実情調査を行い、違反行為があったと認められた場合においては、その程度に応じて、当該職員に対し地方公務員法第29条に基づく懲戒処分を行い、又は訓告若しくは厳重注意を行うものとする。
3 懲戒権者は、違反行為があったと認められる職員から辞職の申出があった場合において、当該職員を懲戒処分に付すことにつき相当の事由があると思料するときは、その承認を留保し、前項の措置を講ずるものとする。
(実施の細則)
第7条 この訓令の実施に関して必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この訓令は、平成15年4月1日から施行する。
〔参考〕
加美町職員倫理規程運用指針
(注) 本指針は、家族関係、個人的な友人関係等に基づく私生活面における行為であって、職務に関係のないものには適用しない。
行為の類型 | 届出又は報告を要する場合(例)(ただし、×印のあるものは届け出ても了承しないもの) | 届出又は報告を要しない場合(あらかじめ了承されたものとして取り扱うもの) | |
会食 | 相手方が経費を負担する場合 | ① 当事者のスケジュールの都合上、食事時にしか職務上必要な会議を行えない場合において、その会議の席上で食事が提供される場合(会食が会議と一体のものであると認められるものに限る。) ② 職務上必要な会議が長引き、食事を共にしながら継続せざるを得なくなった場合においてその場に食事が提供される場合(会食が会議と一体のものであると認められるものに限る。) × 酒食の饗応(いわゆる接待) × 会議の終了後、レストラン等場所を変えて行われる会食(会議と一体のものであると認めがたいもの) | ○ 営利業者の団体、公益法人又は独立行政法人等が主催する公式行事としてのパーティー(賀詞交歓会等)に職務上出席する場合 |
正当な対価を支払った場合 | ① 事前に接待があるとは知らず、やむを得ず会食をともにしたが、職員が正当な対価を支払った場合 ② 上記(相手方が経費を負担する場合)①~②の場合において、正当な対価を支払った場合 × 契約又は補助金、委託費等の交付対象者から会食の誘いを受けてこれに応ずる場合 | ○ 定期的(おおむね年1回以上の頻度で開催されるものを対象)に開催される会食を伴う会合で、参加者全員が各人の対価を支払って行われるもの | |
遊技・旅行 | 相手方が経費を負担する場合 | × 饗応を目的とした遊技(ゴルフ、麻雀、釣り、スキー、テニス、野球、観劇、芸奴の演芸等)(いわゆる遊興接待) × 饗応を目的とした国内外の旅行(いわゆる接待旅行) |
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正当な対価を支払った場合 | ○ 事前に遊技があることを知らず、やむを得ず遊技を共にしたが、正当な対価を支払った場合 × 業者等から遊技又は私事旅行の誘いを受けてこれに応ずる場合 | ○ 職務上の必要性から旅行(出張)する場合 | |
物品の贈与(課等あて贈られたものを受け取る場合を含む。) | 贈答品(金銭を含む。) | ○ 葬儀の供え物(2万円相当を超える場合) × 職員の勤務(転任、海外出張、退職)にまつわるせん別品、記念品等(右欄の③の場合を除く。) × 職員の勤務にまつわる祝品(栄転祝い、昇進祝い等) × 職務上の行為又は職務上の地位を利用した行為に対する謝礼(謝礼、薄謝、寸志、心付け等) × 慶事の際の祝品(結婚祝い、出産祝い、新築祝い、還暦祝い、卒入学祝い、就職祝い等)(右欄の③の場合を除く。) × 法要の供え物(供物) × 見舞い(病気見舞い、災害見舞い、暑中見舞い、残暑見舞い、寒中見舞い等)(右欄の②の場合を除く。) × 中元、歳暮、年賀(広く配布される宣伝広告用物品:手拭い、うちわ、カレンダー、手帳、ボールペン等は除く。) × 土産(酒、菓子等地方の特産品等) | ① 葬儀の供え物(供物・仏前・霊前、供花・花輪。ただし、2万円相当以内の場合に限る。) ② 職員自身の災害見舞い、病気見舞いの際の生花 ③ 職員自身の祝い(結婚、出産、病気の快癒、転任、退職)の際の生花 ④ 職務として出席した式典で来賓や参加者に配布される記念品 ⑤ 職員が業者等に香典等を贈った場合におけるお返しの品(いわゆる半返し等職員が業者等に与えた価格の範囲内に限る。) ⑥ 中元、歳暮、年賀で広く配布される宣伝広告用物品(手拭い、うちわ、カレンダー、手帳、ボールペン等) |
講演・寄稿 | 講演謝金、執筆謝金等の受領 | ① 職員の勤務時間外(勤務時間終了後、週休日又は休日)に業者等が主催する講演会、勉強会、研究会等の場で講演等を行う場合 ② 職員の勤務時間外(同上)に、業者等が発行する雑誌等に寄稿する原稿を執筆する場合 × 職員の勤務時間内に、業者等が主催する講演会、勉強会、研究会等の場で、職務に関連した講演等を行う場合 (年次休暇を取得してこれを行う場合を含む。) |
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講演に要した旅費の受領 | ○ 職員が講演等に要する旅費が支給されていない場合であって、職員が実費を負担した範囲内の場合 × 職員が講演等に要する旅費を支給されている場合 |
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便宜供与・利益供与 | 保証や担保の提供、債務の弁済 | × 飲食等遊興費の勘定を業者等に回す場合(いわゆる付け回し) × 借金の返済を業者等に肩代わりさせる場合 × 職員が保証人となっている主たる債務者の債務を業者等が立替弁済してその保証債務を免れさせる場合 |
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無償又は低額での役務・労力の提供 | × 無償又は正当な対価を支払わずに業者等に自宅の修繕や庭の手入れ等の工事を請け負わせる場合 | ○ 職務上やむを得ず役務の提供を受ける場合 ・ 出張の際、現場視察等職務上の必要性から業者等の用意した自動車を利用せざるを得ない場合 ・ 業者等の事務所等において、職務上の必要性から、やむを得ず相手方の電話やコピー等事務用機器等を利用する場合 など | |
無償又は低額での不動産、物品等の貸与 | × 無償又は正当な対価を支払わずに土地、建物、自動車、船舶等の不動産の貸与を受ける場合 × 無償又は正当な対価を支払わずにワープロ、パソコン、携帯電話、ポケベル等の物品の貸与を受ける場合 × 無償又は正当な対価を支払わずにゴルフ会員権等の貸与を受ける場合 × 融資又は貸付を受けること(直接融資・貸付を受けるか、貸主のあっせんを受けるかを問わず、また、利子の有無、担保の有無を問わず)。 | ○ 職務上やむを得ず物品の貸与を受ける場合(ただし、軽微な物品に限る。) ・ 業者等の事務所に訪問中、突然の降雨のため雨具を借用する場合 ・ 会議等に際して業者等から筆記用具等を借用する場合 など | |
× 未公開株式を譲り受けること(有償、無償を問わない。)。 |
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× 本人や家族の就職の世話を受けること。 |
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その他の利益供与 | × 不動産(土地、建物、自動車、船舶等)を無償又は正当な対価を支払わずに譲り受ける場合 × 商品(物品)を無償又は正当な対価を支払わずに入手する場合 × 通常入手しにくいチケット(航空券やコンサートチケット等)を入手(正当な対価を支払った場合を含む。)する場合 | ① 社会一般の接遇として容認される湯茶(コーヒー、紅茶及び茶菓子を含む。)の提供を受ける場合 ② 職務上の必要性から、業者等の施設や事業内容を知るために施設の見学をしたり、業者等が主催する諸行事に参加する場合(ただし、会食し、又は飲食する場合を除く。) ③ 職務上の必要性から、業者等に協力を要請し、会合等の際の会場の提供を受ける場合 |